プレート境界の地震いろいろ

プレート境界の地震については、『謎解き地震学 No.7』で勉強したわね。

はい。プレート境界には、スルスルとすべっているところと、ベッタリとくっついているところがあって、後者をアスペリティといいます。その固着がついに剥がれる運動が、プレート境界地震です。

そうでしたね。かつては、プレート境界はどこもベッタリとくっついていると思われていました。ところが、固着しているところは一部であり、固着が剥がれるときこそが地震の発生であること、そして、同じ場所が再び固着して、地震が繰り返し起きること、がわかってきました。

プレートのくっつき方には、スルスルとベッタリの2種類があったとは驚きだったなあ。

実は2種類じゃないんです。

え? あ、そっか。深部低周波微動もいれて3種類だ。

いいえ、もっとあることがわかってきました。スルスルとすべるところ、ベッタリとくっつくところ、それから、ゆっくりとすべるところ。ゆっくりにもいろいろな速さがあります。プレートの境界が地震の際にゆっくりとすべる、スロー地震です。

ゆっくりとすべる?

そう。身近なところでは、房総沖で6年間隔くらいに起きているスロー地震。マグニチュード6を超えるような地震なのですが、普通の地震では数十秒くらいで進行する断層の破壊が、10日ほどもかけてゆっくりと起きています。

えらいゆっくりじゃないですか。

そう。だからスロー地震と呼ばれています。もちろん人は感じません。こういった地震は、地震計ではなくGPSや傾斜計などの地殻変動の観測機器によって記録され、発見されるようになりました。